Dr.Keiko Diary

AAO2019(アメリカ矯正歯科学会)に参加しました

AAO2019に参加しました

ロサンゼルスで開催されたAAO2019アメリカ矯正学会(American Association of Orthodontics)に参加してまいりました。

このアメリカ矯正学会は、規模も参加人数も世界随一 まさに矯正の祭典と言えるイベントです。
アメリカ本土だけでなく、参加人数がわからないほどヨーロッパやアジアまた日本からもたくさんのドクター・スタッフが参加し、これからの矯正界がどのようにすすんでいくのか、世界のトレンドを感じる大会だと思いました。

AAOエントランスに到着しました

矯正全般を網羅した講演プログラムが朝から夕方までびっしり企画され、さらにドクターセクション、スタッフセクション、チームごとにテーマがありどの講義も同時に聴きたいくらい充実した内容となっていました。
バイオメカニクスなど基礎研究・統計学、外科矯正・TADs、ClassⅡ・Ⅲ治療、保定、3Dプリンターなどの材料分野、審美治療、成長期治療、アライナー関連、クリニックマネージメント、マーケティングなどなど

その中でも、3DスキャナーCTを用いた診断・治療、マウスピースをもちいたアライナー矯正のトピックが数多く取り上げられていました。
これからのトレンドは、“デジタルを駆使しアライナー矯正を中心としたクリニックワークフロー”です

AAO商業展示を見学しました

AAO企業展示

AAO デジタルワークフロー

矯正メーカーの企業展示でも、ドーンと中央に大きなカンパニーが陣取り、各社から3Dスキャナーとデジタル診断・治療計画から、アライナーを作成するワークフローを展開していました。

各社3Dスキャナーで口腔内をスキャンし、3次元化した診断システムを構築している流れは同じですが、「歯を動かすための技術力」はインビザラインが一歩先を進んでいると改めて感じました
今までの600万症例以上から治療結果がフィードバックされ、力のコントロールの仕方や効率的な歯の移動にまつわる技術力は毎年アップロードされる技術革新の積み重ねです。
スキャンデータをもとに3Dプリンターからマウスピースを作成していきますが、インビザラインのアライナーとは弾力性・素材・強度など各カンパニーのものを触り比べてみても異なった質感だったのは興味深い点でした。

アライン社のアメリカ本社の技術開発部門を統括されている佐藤さんともブースでお話しさせていただくことができました。 ドクターが技術開発部門の方と直接お話しできる機会もないので、各国のドクターがひっきりなしにディスカッションに訪れていました。今後の新製品・新しいトピックに期待が持てそうです。

AAOアラインブースアライン佐藤さんと

Alignブース Newアイテム : Smile Simulation
矯正後のスマイル予測を60秒で作ることができるシステムが初お目見えしていました。
今のスマイル顔写真から、いままでの膨大なケースデータから同じような歯並びを当てはめてみる画期的なイメージソフトとのこと。瞬時に歯並びが変わった様子を比較できるのはうれしいですね

AAO smilesimulation AAO smileSimulation

アラインのブース講義では、今年スタートしたinvisalign Firstのトピック、下顎前方誘導MA、クリニックマネージメントに関する内容などを学びました

アラインブース講義アラインブースにてSandra先生と

AAO alignブース

 

 

その他のトピックとして興味深かったのは
・スキャナー→デジタルプランニング→3Dプリンター→アライナーミリングマシーンをすべて院内に導入し、1Dayでマウスピースを作成するシステム(uLab)

AAO uLab1dayシステム

 

・デジタルセットアップした歯列から1本の形状記憶リンガルワイヤーで配列できるシステム(INBRACE , Mechanodontics)
新たなベンチャー企業の台頭が今後どのように発展していくのか否か

AAO リンガルワイヤー

 

・院内のカルテシステムや検査データの一元管理、診療ワークフローのデジタル化
すべての仕事がデジタル上で行えるようになり、ペーパーレス化、診療効率化がすすんでいます。

AAO デジタル化が進む

AAO材料系展示AAO creacorrectブース

感想

数年前、旋風をまきおこした加速矯正(アクセルデントやオルソパルスなど)は、なんとなく勢いが下火という印象
従来のワイヤー矯正や器具・材料はマイナーチェンジが加わりながら、おしゃれで可愛いアイテムもたくさん見られましたデジタル旋風一色 アメリカ矯正学会の流れが今後どのように日本の矯正界に影響を及ぼしていくのか大変興味深いと感じました。

ロス観光 サンタモニカ

 

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