歯周病がアルツハイマーを悪化させる

歯周病菌が体内に侵入し、認知症の原因物質が脳に蓄積して記憶障害（アルツハイマーなど）が起きる仕組みを九州大などの研究チームが解明した。歯周病と認知症に関わる研究は認知症対策に直結するものとして非常に重要視されている。

認知症の7割を占めるアルツハイマー病は、「アミロイドベータ（Aβ）」などの異常なたんぱく質が長年、少しずつ脳に蓄積することによって、発症や症状の進行に関係していると言われている。

近年、歯周病の原因菌や歯周病原因菌から発生した毒素が血管を通じて体内に侵入することで、Aβが体内で生成され、脳に蓄積することが解明されてきたが、蓄積の仕組みは詳しく分かっていなかった。
九大や北京理工大（中国）などの研究チームは、マウスの腹部に3週間歯周病菌を直接投与して感染させ、正常なマウスと比較する実験を行った。

その結果、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、Aβを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるたんぱく質の数が約2倍に増えて、脳細胞へのAβの蓄積量も10倍に増えた。

暗い部屋に入れば電気ショックを受けることを学ばせた記憶実験では、正常なマウスは5分間、明るい部屋にとどまり続けたが感染マウスは約3分で暗い部屋に入り、記憶力低下が裏付けられた。
一方、Aβを運ぶ受容体の働きを阻害する薬剤を使えば、感染した細胞内を通るAβの量を4割減らせることも確認できたという。

武洲九大准教授（脳神経科学）は「歯周病菌が、異常なたんぱく質が脳に蓄積することを加速させてしまうことが明らかになった。歯周病の治療や予防で、認知症の発症や進行を遅らせることができる可能性がある」と話す。

このように、日本人の4割以上が歯周病に罹患しています。将来、アルツハイマーなど記憶障害が悪化することを防ぐためにも歯周病予防がますます人生において大切になってきます。そして、その歯周病を進行させない、歯周病にならないために矯正治療が最も根本的な予防治療です。

歯並びが悪いと歯ブラシもしにくくプラーク（歯垢）や歯石がたまり歯周病になってしまいます。
加えて歯周病かみ合わせのバランスが崩れると一気に歯周病が進行します。

ご自身の歯や歯茎の健康を保つこと、さらに生涯の健康のために矯正治療を考えてみませんか？